I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2016/01/15 / 00:28

年が明け、仕事も始まった。気が付くともう1月も半ばである。

予てから見たいと思っていた映画を見てきた。

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「STRAIGHT OUTTA COMPTON」

かつて「世界で最も危険なラップ・グループ」と呼ばれたLAはコンプトン出身の(尤もアイス・キューブはコンプトンではなくサウス・セントラルだが・・・)5人組、N.W.A.の軌跡をたどる作品である。

クリップスとブラッズの2大ギャングがしのぎを削る街、コンプトンで、メンバーが集まりNWAとしてデビューし、成功を収めるも金のトラブルでアイス・キューブが抜け、ドクター・ドレーが抜け、事実上の解散状態から各メンバーが確執を乗り越えて再結成する直前でイージーEがエイズで他界し・・・・というある意味、この手の「楽団もの」ではお決まりの栄枯盛衰模様である。

しかしそういって片づけてしまうにはあまりに本作、おもしろすぎる。確かにこれはヒップ・ホップ・グループの話である。しかしここで語られる物語はそのまま、自分が体験してきたハードコアやスラッシュ・メタルの勃興、隆盛、衰退とオーバーラップする。

「売れるとか売れないなんてことよりも、今、目の前にあるどうしようもない現実を伝えたい。そしてやり場のない怒りを吐き出したいんだ!」

という若者の思いはいつの時代、どんなシーンでも変わらない。ホームボーイズ(地元)の絆、ファッションも含めたギャング・カルチャーとの絡みについてはSUICIDAL TENDENCIES を思い起こさせてもくれる。自分はこの頃、ICE-T にハマっており「東のパブリック・エネミー、西のアイスT」のように思っていたのでNWAも素直に入っていくことができたし、当時はちょうど会社に就職して会社員になったころだったので(苦笑)ストレスも多く抱えており、衰退し始めていたスラッシュ・メタルやハードコアに代わる起爆剤・・・「何かすごく面白いものが生まれる」予感に満ちた刺激・・・・としてギャングスタ・ラップは大きな楽しみを与えてくれたものである。

音源についても自分は"Straight Outta Compton"以降、アイス・キューブやドクター・ドレーのソロについてもリアルタイムで聞いていたので映画を見ていると、当時の自分の記憶がよみがえってとても懐かしかった。また、本作で使用されている音楽について、PARIAMENT、FUNKADELIC のP-FUNK勢の曲が数多く使われており、ファンとしてはとてもうれしかった。"Mothership Connection" "One Nation Under A Groove" "Flashlight" といった有名曲のほかに、ジョージ・クリントンのソロ音源から"Atomic Dog"も使われており面白かった。

また、映画の最後の方で、ロドニー・キング殴打事件に端を発するロス暴動のシーンが映し出されるのだが、そこで赤(ブラッズ)と青(クリップス)のバンダナが結ばれ、掲げられているのは非常に印象的である。そしてイージーの死後、相次いでマキャベリと改名した2PACが殺害され、ギャングスタ・ラップのブームが終わりを迎えるのと時を同じくして、俺もラップを聞かなくなっていった。まぁそれ以前に"NIGGAZ4LIFE"のようなアルバムが全米1位を獲得し、日本でも"REAL NIGGAZ"なんてデカデカと書かれたTシャツを意味も分からず着ているクソみたいなガキが跋扈する様を見て「あー、もう終わったな」とは思っていたのだけど。

というわけで2時間半という長丁場を全く苦にさせない傑作である。新年1発目から、いい映画を見ることができて本当によかった。

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この映画を機に、久しぶりにNWAとICE CUBEの作品を聞いてみたのだけど、20年以上前に聞いていたのとはまた違った新鮮な感覚で音楽と接することができた。感謝。

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