I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2015/09/20 / 20:36

シルヴァーウィーク突入!

という事で連休は何とか休めそうなので一安心。そんなわけで金曜の夜、仕事を終えてから映画を見に行ってきた。雨が降ったりやんだりの空模様だが、22時には晴れるとの予報を信じて自転車でGO!

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先週、初日を見に行こうとしていたのだが、急な仕事が飛び込んで涙をのんだ「キングスマン」。予告編を見た時から「これはっ!」と期待していた作品だが、期待を裏切らない傑作だった。結論から言うと、今年見た映画の中では「マッドマックス」を除けば文句なしのナンバー1である。

先ず、この作品は「スパイ映画」である。スパイ映画であるからには当然、スパイを統括する組織が出てくる。それが「キングスマン (KINGSMAN)」。「オール・ザ・キングスメン」の"King's Men" ではないところがミソ。語源を調べれば「ランカスター朝における軍の階級で云々・・・」と出てくるが要するに「最下層の兵卒」つまり「名もなき兵士」である。ここらへんは中盤、ハリーがエグジーに語るキングスマンの仕事についての一節とリンクする。

ロンドンにある高級紳士服店「キングスマン」の仕立て職人ハリー(コードネーム:ガラハッド)は、政治や経済に左右されず正義を守るスパイ組織「キングスマン」のエージェントであり、各メンバーはアーサーを筆頭に、ラーンスロット、ガラハッド、マーリン等、円卓の騎士団の名がコードネームとしてあてがわれ、「高級スーツにメガネ」というイギリス紳士の見てくれを「制服」としている。

此処で登場する悪の親玉サミュエル・L・ジャクソン演じるIT企業の社長バレンタイン。こいつが、無料で提供する世界各国で無料通話、無料インターネットアクセスが可能なSIMカードには人類を滅亡させる恐ろしい仕込みがされており、その野望を粉砕するため、キングスマンの面々が立ち向かう、というお話。

兎に角、楽しい。手に汗握る。ワクワクする。劇中でも出てくるが、現在のシリアスな「007」が無くしてしまった荒唐無稽なバカバカしさ、洒落乙な感覚を「これでもかっ!」と詰め込み、スタイリッシュなアクション満載で再構築した素晴らしい作品。

そして本作、「往年のスパイものへのオマージュ」を1つの縦軸としつつ、もう1つ重要な要素が絡められている。それは「紳士の美学」である。イギリスの富裕層でもない自分が「紳士の美学」と言っても全く説得力が無いが、これは東京っ子式に言えば「粋な男の矜持」と読み替えることもできる。此処で語られるのは「義」であり「礼節」である。

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「礼節」に関してはハリーの台詞 "Manners maketh man." (マナーが人を作る)に現れている。これは映画全体において貴族や労働者といった階級差別に対する強烈なアンチテーゼになっており、人を成長させる/作るのは生まれた環境や貧富の差と「必ずしもイコールではない」ということを示している。面白いのは貴族に対しても労働者に対しても浴びせる視線が同様に厳しい事である。

「義」に関しては、ハリーがキングスマンにスカウトしてきた街の不良少年エグジーが、かつてハリーがミスを犯した作戦で、チームの命を救うために自らを犠牲にしたエージェントの忘れ形見であることだ。カットされた場面にはハリーが労働者階級で無職のエグジーに「紳士教育」をするシーンがあるらしいのだが、単なる仕事の話だけでなくエグジーに「本物の男」になって貰いたいというハリーの熱が伝わってくる。ここらへんはかつて、「007」を演じたショーン・コネリーが労働者階級の出身であったことから監督が紳士教育を施して、「英国紳士ジェームズ・ボンド」の役作りに尽力した逸話ともリンクする。

とまぁ彼是書いたが、まず、映画館に足を運んで楽しんでもらいたい1本。もう「悪い黒ん坊」としか言いようのないマンガ的悪役のサミュエル・L・ジャクソンも、その相棒で両脚義足の殺し屋女もぶっ飛んでてカッコいい。個人的にはマーリン役のマーク・ストロングの渋さに痺れた。そして高級スーツを着こなしたコリン・ファースを見て「スーツってこんなにカッコいい服だったのか!!!」と思い知らされた。

しかし本作や昔の映画をみるにつけ、何時からスーツってサラリーマンのみっともない作業服に成り下がってしまったんだ・・・と思う。


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