I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2015/06/08 / 00:57

本を読むよりも、漫画を読むほうが遅読だったりする。

というわけで、待ちに待った沙村作品が二冊同時刊行。こいつぁ春から縁起がいいぜ。

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先ず、「ベアゲルター」2巻。

第1巻が出たのがかれこれ2年半前。掲載誌が季刊(現在は隔月刊)なので「まぁ2年くらいは待つだろうな」と思ったら本当にその通りになってしまった。前作ではイマイチ分からなかった話の全体像・・・要するに設定が漸く明らかになりトレーネ(ナミ)が何者なのかが理解できた。しかしまさか、忍と行動を共にするとは思わなかった。

当初は「2巻で終わる」と言われていたが当然、終わるわけもなく次巻へ続くわけだが、それでも終わらないのでは・・・という気がしないでもない。ともあれ、これからの展開が益々楽しみである。しかし相変わらず、作品の端々に小ネタ満載で本当に面白い。忍とトレーネの変装、一見「パイレーツ」のジョニー・デップかと思わせて本当はトニー・アイオミとギーザー・バトラーなんだろ?!というサバス好きな沙村先生らしい絵面である。

因みに本作、3人の雌猫の誰に肩入れするかによって読み方も変わるのだろう。2巻でトレーネが身につけている黒の網タイツ&ハイヒールも滅茶苦茶エロいのだが、自分はやはり忍推しで(笑)忍のキャラクターは「無限」で言えば百琳、「おひっこし」で言えば赤木真由と共通する「一見、身持ちの悪そうでいて、実は結構、純情」(ズべ公設定の忍が処女だったという驚きの展開)という作者の女趣味・・・実際、「無限」では百琳が一番好きだ、と言っていた・・・が垣間見られるのもまた、面白い。趣味と言えば、以前にも書いた銀座「ヴァニラ画廊」における「蹂躙史エピトマイザ」等の展示における「隻眼、隻腕」という欠損美少女の趣味が此処に結実しているのか、という見方もできる。また3人目の雌猫でありチャイナドレスを着た凄腕の殺し屋であるジェ・マオの原型がこの「エピトマイザ」のブックレットに描かれてるのも注目したい。

次。「波よ聞いてくれ」

サーフィン物語でなく(Oi Oi Oi !!!)、ラジオの話である。

癖の強い・・・強すぎる沙村作品にあって「普通の人」におススメできる一冊。一応「ラヴコメ」になるのだろうが、其処此処に小ネタの投下はあるものの至極真っ当な作品。個人的には2巻から「涙のランチョン」みたいな急転直下で滅茶苦茶な展開になって終わることを願ってるのだが、まぁそういう風にはならないだろう。

因みに先月、これまた前出、銀座のヴァニラ画廊で沙村先生のデビュー作、谷崎潤一郎「刺青」の漫画化作品を再度見ることが出来たのだが、改めて引き出しの多く、且つ趣味のディープな人だなと思う。ある意味、タランティーノに非常に近い立ち位置にいるのではないか、と思ったりするわけで・・・

ともあれ、両作品、次巻は何時頃出るのだろうね。

あ、そうそう・・・このブログ、何気に「ベアゲルター 意味」という検索ワードで来てくださる方が多いのだが、表紙の説明によると「ゲルマン法に規定された殺人者若しくはその一族が贖罪として被害者遺族に支払う金」とある。本作の作風を考えれば、そしてそれをハードボイルド風に言えば「血の報酬」(ハメット)という事になるのだろうか。


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