I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2015/04/21 / 22:09

法は、人間が作ったものである。

であるから、その「法」が時流や、それを取り巻く周辺環境・・・社会や国際情勢が変われば、それに合わせて幾らでも変えることができる。「絶対変えさせない!!」等と叫ぶこと自体、民主主義の原則から外れている。では「変えさせない!」「変えることは許されない!」ならどうするんだ?昔みたいに群れ集まって駅や講堂を占拠したり、火炎瓶を投げたりしようってのか?

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日高義樹「アメリカが日本に『昭和憲法』を与えた真相」

読了。

テレビ東京「日高義樹のワシントン・レポート」で知られる日高氏による米国政府の「日本国憲法作成にかかわった当事者」へのインタヴューをもとに構成された力作である。そして反米主義者のくせに「憲法9条護持!」等と叫んでる、現実を見つめたくない連中は絶対に読まないであろう強力な著作である。

日本国憲法については「アメリカから押し付けられたもの」という認識が一般的であろう。しかし近年、左翼を中心として「あれは押し付けられたものではない!日本側も草案の作成に携わっている!!」と叫んでる連中が散見される。しかしそういう連中は本書を10ページも読まぬうち、自殺したくなるだろう。

大まかに述べると日本国憲法作成に関する部分の内容は以下の通り。

1 日本国憲法はすべて、マッカーサーとGHQのガバメント・セクションの手によって作成され、日本政府との間で対等な「協議」等は一切行われていない。

2 日本側が頑強に求めたのは「天皇制の維持」1点のみである。しかし日本政府もアメリカ側の出した「象徴天皇制」という結果は全く予想していなかった。

3 マッカーサーの原案では、日本における全ての軍事力、兵器を放棄させる、というものであった。これはマッカーサー自身がフィリピンで日本軍と戦ったことで、その力を心底、恐れていたからである。そのため、アメリカが全面的に日本の安全を守るということをしてまでも、日本に戦う力を持たせたくなかった。

4 憲法における戦争放棄に関する条文について「自衛の軍事力だけでも持たせてくれ」と頼み込んできたのは日本政府である。

5 マッカーサーを含めたアメリカ政府関係者は、アメリカの占領が終わったら日本国民が自らの手で新たな憲法を制定することは自然な行動であると思っていた。


このなかで第2項は、自分が海兵隊のキャンプ某で最先任上級曹長から聞いた話と見事にリンクする。曰く

「私たちは日本人が持つ潜在能力を今でも恐れている。君は世界中の海兵隊基地の司令部建物の入り口には必ずあれ(硫黄島で国旗を立てようとする米軍兵士のレリーフを指差して)が取り付けられている理由を知っているかね?硫黄島の戦いは海兵隊史上、最も過酷な戦いだった。だから私たちは日本軍の事を絶対に忘れないよう、あのレリーフを掲げている。」

「しかし今の日本にそれだけの力が残っていると本気で考えているのですか?」

「確かに、今は『眠れる獅子』かもしれないがね(笑)しかしいつかその獅子は目を覚ますかもしれない。だから私たちは今でも日本と日本人に大きな関心を持っているんだ。」


アメリカ人は、極東の小国に住まいながら、ロシアや清のような大国に勝利した日本人という民族が理解できなかった。だからこそ戦時中、カリフォルニアのトレーシーに日本人専門の捕虜収容所兼研究施設を建設して徹底的に日本と日本人を研究し、結果的に戦争に勝利した。

先述の通り、マッカーサーは日本の防衛・・・露骨に言えばソ連と中国による共産主義化に対抗するため、安全保障を全面的にアメリカが行う事をしてまで日本に再軍備をさせたくなかった。しかしそれは数十年前の話である。

冒頭で述べたように、世界情勢は大きく変わった。共産主義は崩壊し、かつての宿敵ソビエトの姿は消えた。その代りに中国が台頭しアジア各国は言うに及ばずアフリカにまで勢力拡大を図ってる。その反面、アメリカの国力は低下し最早「世界の警察官」をやっている余裕は無くなってしまった。建設会社が1社でなく数社で受注するJV(ジョイント・ベンチャー)ではないが、今や安全保障もアメリカのみならず周辺各国との協力体制を密にしつつ中国を囲い込まなくてはいけない状況なのである。

では日本は戦後70年、本当に「平和」だったのか?そんなバカなことは無い。本書の中でも記載されている。終戦に伴い、ソビエトのスターリンは日本の国土の割譲を強くアメリカに要求した。極東アジアに共産主義を拡大するためである。マッカーサーはその要求を全面的に否定した。それによりソ連と中国は日本に続々とスパイを送り込み、或いは左翼政党、左翼市民団体に資金提供を行い、内側から日本の共産化を画策した。これはソ連崩壊に伴う情報公開で小田実が代表をつとめる「ベ平連」にKGBから資金が流れていたことが白日の下に曝されたことでも事実だとわかるだろう。

記憶に新しいところでは、東北大震災に伴う津波で松島基地が壊滅した途端、ロシアと中国戦闘機による領空侵犯が一気に増えた。敵機に対するスクランブルをかけることが出来なくなった松島基地に代わり、その役目を果たしたのはアメリカ太平洋艦隊である。だからこそ、旗艦と空母が揃って宮城沖まで進出していたのである。左翼がいう「放射能を恐れ、北上して逃げた」のではない。戦略上の意図があっての機動なのだ。

また2013年、海自の護衛艦が中国海軍のフリゲート艦から火器管制用レーダー波を照射された。これは通常であれば挑発行為の枠を超えた立派な戦闘行為である。

そして現代、日本政府、各省庁、官憲などに日夜大量のサイバー攻撃が行われている。その出所の大半は、中国と朝鮮半島である。現代にあって「戦争」とは単に武力による攻撃のみを意味しないのだ。

何が言いたいかというと、憲法9条で戦争を放棄していても、日本は常に外敵からの脅威にさらされている、という純然たる事実・・・突っ込んだ言い方をすれば9条があっても敵は攻撃してくる、という明確な証拠である。

戦後70年。日本と平和と独立を守って来たのは憲法9条ではない。「アメリカに帰れ!」「戦争反対!」「税金泥棒!」「人殺しの訓練をするな!」という罵倒や揶揄を甘んじて受け、黙々と脅威に対峙してきた自衛隊と在日米軍こそが日本を守る原動力だった。

冒頭に述べたように、日本を取り巻く情勢や周辺環境が変われば、法だって変えるのが然るべき対応である。そして日本という国に住まう日本人であることを誇りに思える「当たり前の国」になるため、我々はそろそろ目を覚まして現実と対峙するときに来ているのではないか。HERESYの曲ではないがまさに "Face Up To It!" である。

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