I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2015/02/18 / 01:10

単行本が出た時から、「早く文庫にならないかな」と思って待ち続ける本、というのは決して多くない。

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大沢在昌「新宿鮫・絆回廊」、遅読の自分が3日で読了。

10作目でシリーズ転換期・・・か。自分にとって「新宿鮫」のベストを選べと言われたら「毒猿」「風化水脈」「新宿鮫」なのだが、本作はそれに次ぐ面白さだった。

「鮫」の面白さは、「荒唐無稽なフィクション部分と現実部分の絶妙な混合割合」にあると思う。

昨今の警察小説や刑事ドラマが「司法警察活動にリアリティを持たせるため『中途半端な』捜査実務や鑑識手法を盛り込んだことにより一層、嘘臭さが増した」・・・というか「嘘の部分だけがやたらと浮いて見える」のとは違い鮫島という組織の中で孤立しているヤリ手の刑事とロックスターの恋人という「嘘八百」な設定で読み手を魅了する反面、新宿や首都圏での犯罪傾向に関してはかなり現実味を帯びた下調べがなされている・・・「確かにこういう中国残留孤児だけが集まった犯罪組織て有り得ないことではないよな」というリアリティのブレンド加減は本当に素晴らしい。

加えて、実際の軽擦活動の中心となる部分・・・聞き込み捜査の手法などはエド・マクベイン「87分署シリーズ」の影響が濃いのではないかとも思う。また、鮫島が外回りして署に戻ってくると、ちゃんと捜査報告書を書いてる描写が出てくるのも良い。まぁ、「新宿署ってあんなに大きいのに生安に居るのは桃井と鮫島だけかよ」という突っ込みはしちゃいけない(笑)

そして前作では「作者も遂にシリーズ終了に向けた着地点を探し始めたのでは」と感じていたのだが、本作を読了して思ったのは「いや、まだまだ終わらないのではないか」という事である。これからの生安課、及び鮫島の進む道、そして晶との関係、前作で退場したかと思われた香田の再登場・・・「終わりは始まり」の兆しを感じる。

さて、次作が出るのは何年先になるのだろう・・・・

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