I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2015/02/14 / 21:58

ファム・ファタール・・・運命の女・・・・

なんて以前にも「郵便配達は二度ベルを鳴らす」についての日記で書いたが、今回も「ファム・ファタール」ネタの本である。
文庫化された・・・どころか単行本で出版されていたことすら全く認知していなかった

Engine Yahagi
矢作俊彦「引擎/ENGINE」

読了。

粗筋は・・・高級外車窃盗団を追う築地署の刑事・游二の前に、その女は立ちふさがった。ティファニーのショウウインドーに30カービン弾をぶちこみ、消えた女。無垢な少女の微笑と、妖艶な獣の哄笑を残して…。魔に取り憑かれたかのように、彼は女を追い始める。そして次々に起こる凄惨な殺しと爆破事件。謎が謎を呼び、事態は一気に緊迫の局面へ・・・というもの。

初っ端の謝辞に「恩人T・K氏へ。この私に大藪晴彦を目指しなさいなどと言ってくれたのは、後にも先にも彼だけだから。」
とある通り、大藪晴彦テイスト満載の・・・と書きたいところなのだが、生憎と俺は大藪晴彦の作品を1冊も読んだことがない・・・いや、1冊だけ読んでいるな、「何とかの女豹」とかいうのを。あまりに幼稚で荒唐無稽だったのですぐに部屋の隅に放り投げてしい、内容は全く覚えていないのだが。そんなモノを読むくらいならもう一度、ドン・ペンドルトンの「死刑執行人マック・ボラン・シリーズ」の邦訳を全巻読み直した方が良い。

というわけで本書。全く刑事に見えない主人公にロシア&中国マフィアが絡み、銃弾が飛び交い、ホトケが転がりまくるアクション物。ヒロイン(?)たる「運命の女」が何故、主人公(游二)と「やにわに劣情を催したかのように」ヤリたいと思うのかが全く意味不明だし、その後の展開もイマイチ面白くない。プロットよりも「女」を描きたかったのか・・・と問われても肝心の女のイメージが全くわかない。自分がよくやる「実写化するならどの女優がピッタリだろうか」という問いに対し、答えが浮かんでこない。つまり「ファム・ファタール」であるのに「殺しのテクニックが凄まじい」という点以外、外見上(顔かたち)の印象が恐ろしく薄い。2人の間に「愛情」のようなものがあるのかと問われても「う~ん…どうだろうねえ」としか答えられない。「ムーシカ」の正体は最初に予想した通りだったしな。ひょっとして、作者自身が私生活で「ファム・ファタール」レベルの衝撃的な出会いがあったのだろうか、と勘繰りたくもなる(笑)

そんな中で、後半のカーチェイスの場面は気合が入っている。古い例えで申し訳ないのだが、スティーヴ・マックィーンの名作「ブリット」を彷彿とさせる車と車のせめぎ合いは手に汗握る迫力で楽しめた。

とまぁ、あまり良い事は書いてないが、作者の「二村警部シリーズ」に比べれば登場人物の相関関係等々、至ってシンプルであり、肩ひじ張らずに数時間を「運命の女」との絡みに費やすことができる佳作だと思う。

因みに第2弾があるという噂は・・・・本当なのかね?!






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