I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2014/05/01 / 02:40

10年前と比べて、「インド料理店と呼ばれる店」に足を運ぶ人は確実に増えた。

しかし当然のことながら「来店する客の増大」と「インド料理に対する認知度の高まり」は決してイコールでない事は、ある程度、「インド料理と呼ばれるもの」を食べ歩いている人であればすぐに理解できる筈。嘘だと思うなら「インド料理店と呼ばれている店」に行って耳目と五感の作用を働かせて来ている客を観察してみればいい。80%くらいの客は「バターチキン、ナン、タンドリーチキン、ラッシー」をオーダーしている筈だ。

冒頭から何故、自分が「インド料理店と呼ばれている店」という表記をしているかについて、既にお分かりの方も多かろう。看板は「インド料理店」であっても実際はネパール人やパキスタン人が料理をしている店が非常に多いからである。それに加えて、「ネパールも南北インドもパキスタンもバングラデシュもスリランカもバターチキンとナンとタンドリーチキンを食べている」と思ってる客、それも昼飯に出される格安のランチメニューを食べただけで高らかにその類の誤った知識を語る連中の多さには本当に頭が痛くなる。

例えば、アメリカやヨーロッパの人達が「おいしい!」という「日本食と呼ばれるもの」について実際、自分達日本人の目から見れば「そりゃ違うだろ!」という「日本料理と呼ばれるもの」を韓国人が作っているのと全く同じである。

つまり都内に数多くある「インド料理店と呼ばれている店」は、そのような浅い客と「日本人はナンさえ出しておけば喜んで食べる」というナメ腐った経営者や料理人、おまけに真っ黄色のターメリックライスを「サフランライス」と偽って出す詐欺紛いの連中の相乗効果で成り立っているような気がしてならない。

あとインド料理店で食事をしていると必ずと言っていいほど尋ねられる「辛サハダイジョウブデスカ?」という問いかけは何を意味しているのだろう。加えて辛さのレベルが星1つから星5つくらいまで変えられるってのは一体何なのだろう。「本場の味!」と謳っているのなら辛さもマサラの風味も「固定」でなければならない。「アジャンタ」「ナイル」「デリー」「中村屋」のような東京の老舗は絶対、客の好みに合わせてマイルドにはしてくれない。

例えばデリーのカシミールが辛くて食べられないのであれば、自分が食べられるカレーをオーダーすればいいだけの話であって「甘くなりませんか」なんて考え自体がナンセンスなのだ。そう考えると日本でいう「本場の味!」「本格インド料理!」とは一体何だろう、と思考の迷宮に囚われてしまう。

先日、舞台の開演を待つ間、時間つぶしで入った浅草ロックスのビブロで立ち読みしていたのだが、余りに面白くて買い求めてしまった1冊。

カレーの海で
続木義也「カレーの海で泳ぎたい インド料理の見方・食べ方・楽しみ方」

読了。

上記で書き綴った疑問や不満を一体どれだけの人が感じているかは分からないが、本書を読めば答えは全て書いてある。ページをめくりつつ「うん!そうそう!まさに仰る通り!!」と快哉を叫んでしまった。

本書を書かれたのは京都にあるカフェの御主人であるがインド料理好きが昂じて自ら食べ歩くようになった、とのこと。素晴らしいのはよくブログなどで自分にどれだけの渡印回数があるかを語り「○月に訪れたチェンナイの○○ホテルのレストランがどーのこーの」とのたまい、やたらに群れては取り巻き連中と「オフ会」をやり懇意にしているらしい店主に「裏メニュー」を出させては皆で一斉に写真を撮り始める「カレーブロガー」とは全く異なり、自ら徹底して食べ歩き、比較し、検討し、料理人や店主から聞き込みを行った末に導き出された結果ということである。

例えば料理人の出身地の違いによる味の違いを確かめるため「チキンカレー」のみを徹底的に食べ歩く、また辛さの程度/マサラ(スパイス)のレベルの違いを確認するため、「辛さ3」固定で彼方此方の店を食べ歩く等々、まさにフィールドワークというべき素晴らしい内容に舌を巻く。都内のレストランについても「ダルマサーガラ」「アーンドラ・キッチン」、或いは「ナイルレストラン」「アジャンタ」における料理の方向性(志向)違いを的確に表現しているところも鋭い。

加えて「料理人が変われば味も変わる」という事実をハッキリ記載しているのいい。日本のレストランの場合、料理人が変わってもレシピは基本的に同じで「同じ味を出し続ける」事をモットーとしている(ように思う)。例えば「ダバ・インディア」の場合、ラマナイア・シェフが居た頃と抜けてからでは味がかなり変わったし、「アーンドラ・キッチン/ダイニング」にしてもラマナイア・シェフが店にいない時はやはり味が異なる。スパイスの使い方が全然違うからすぐわかる。やはり料理ってそういうものなのだな、と改めて思う。

というわけで、軽く2時間程度で読めてしまうのでインドカレー好きな人は是非ご一読あれ。京都の美味しい店の紹介もついており、次回の上洛の際には活用させてもらおうと思う。

これを読んでやはり北野白梅の「ヌーラーニ」と四条大宮「ティラガ」は評価が高いのだな、と思った次第。「ケララ」「アジャンタ」の定番(だと自分は思ってる)店から四条西洞院「ゴータマ」や北大路「サムジャナ」等々、自分が行ったお店も数多く紹介されいるのが嬉しい。読んでいるうちに、また京都に行きたくなってきた。

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