I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2014/04/16 / 00:47

「なぎら健壱」という人を初めて見たのは、深夜番組「ギルがメッシュNIGHT」だった。

当時俺は細川ふみえ目当てで当該番組を見ていたのだが、当時はフォークシンガーだという事など全く知らず仕舞いで終わってしまった。それから時は流れて幾年月。書店でふと、目について手に取ったこの一冊が滅法面白かった。

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なぎら健壱「東京路地裏暮景色

内容は・・・東京の路地裏を歩き、酒場の扉を開けば、あの頃の記憶と夢と現実とが交錯する。酒場の思い出、出会った人物の面影、酒と紫煙と、音楽…文章と写真でつづる私的東京町歩きの記・・・というもの。

此処に登場する街は、或る意味「本物の」東京である。白金高輪、六本木、有明、豊洲、お台場などという場所は全く出て来ない。吉祥寺は出て来るが、最後の最後で「東京の匂いを感じない」と一刀のもとに斬り捨てられているのがまた、いい。何代も前から東京で生まれ育った人の考える「東京」と、田舎から移り住んで来た人の考える「東京」の温度差があることも良く分かる。語られる言葉は優しいが、其処に宿る「代々東京っ子」の持つ矜持・・・「粋の美学」といっても良い・・・が見て取れるのも嬉しい。

その中でも特に「東京オリンピックとあたし」で語られている「オリンピックと引き換えに失った東京らしさ」は印象に残る。以前、池波正太郎の随筆で、同じ内容がもっと激しい言葉で語られていたのを読んだことがあるし、また自分の親も日本橋の上に高速道路が作られた事に対する怒りと失望感については同じ熱量で語っていた。池波氏の言葉を借りるなら「田舎から出てきた東京に愛着など何もない役人どもが街を勝手に作り変えてしまった」という発言は東京という街で代々暮らしてきた、逃げ帰る「田舎」のない人達の本音だろう。

昨今は「下町ブーム」なのか何なのかは知らないが、良く足を向ける神保町で本も買わない癖に「さぼうる」や「ミロンガ」に行列し、その前で記念写真を撮影する観光客を見るにつけ、結局、街のもつ文化的側面なんかはどうでも良くて「東京っぽい上澄み」だけ掬って、それで知ったつもりになってるのだろう、と思ってしまう・・・なんて自分も似たような事を言ってるな。

因みに自分の親が生まれ育ったのは新橋(銀座8丁目)~築地、なぎら氏が生まれたのが東銀座。言ってみれば「ご近所さん」である。自分は生まれは築地だが、その後、東京、神奈川、静岡、山梨を流転しているので、親の世代と自分を繋ぐミッシング・リンクのような感覚で話を読み進めることが出来た。

あと個人的におおっ!と思ったのは以下2点。両国の「フォークロアセンター」の名前が出て来た事。此処は一度だけ行ったことがある。チャールズ・ブコウスキーのポエトリー・リーディングのビデオ上映会だった。ライヴハウスとは名ばかりの民家の2階で、客は俺を含めて5人。上映の後、「いやぁ~家を出る時にストーブに油入れようとしたら灯油が掛かっちゃって」とズボンに大きな油染みを作ったオッサンがやってきて解説を始め、2人で来ていた女子はドン引きして逃げるように帰って行ったのが笑えた。今でこそメジャーなブコウスキーだが当時は「知る人ぞ知る」存在で詩集はまだ翻訳されていなかったので、原書を読んでいる人でないと意味不明だったのではないか、と思う。そんなフォークロアセンターも今はもう無いらしい。

もう一つ。神保町について語られた箇所で「最近は専らビアレストランの『ランチョン』に行ってる」旨、記されていたのだが先日、「放心亭」に行ったら俺の席の真ん前の壁になぎら氏の似顔絵入りサイン色紙が貼ってあったのは笑えた。でもやはり神保町ってのは本が好きな人には優しい街だよな、と改めて思った次第。

そんなわけで「放心亭」で食した牛タンの塩漬けなど。

DSC_2101.jpg

あと銀座「天國」でまたもや穴子天丼。

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新宿「ピッチーファー」でタイ料理のバフェ。

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とまぁ東京の生活は楽しいですよ、と。




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