I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2013/08/11 / 01:47

本来なら金曜の終業から来週20日までは夏休みの筈だったのだが、急に入った仕事のせいで今年の夏休みは殆ど消えてなくなってしまった。

職場の体制は土日も自由出勤なのだが、毎日15~16時間近く働いてるのだから、1日くらい休ませてもらわないと、そのうちアメリカの基地にテレポートして小型核爆弾を盗み出し、それを持ったまま職場へテレポートして、起爆させるのと同時にまた何処ぞへテレポートして逃げる、という初期の「ペリー・ローダン」シリーズでミュータント部隊のグッキーがやっていたような事をしてやりたくなる。

そんなわけで、最高気温38度というキチガイじみた天気予報の出た週末、ギャラリー新宿座で開催中の

cover_130806_.jpg
廃墟探索部 同人写真展「世界が失った時を求めて」

を見に行ってきた。

廃墟は何故人を惹きつけるのか・・・・は人それぞれだろうが、自分の場合、最も大きな理由は「廃棄された建築物としての哀れ、そして面白味」である。自分は工学部建築学科の出身である。今は建築とは全く畑違いの仕事に就いているが、学生時代は所謂「地図に残る仕事」がしたいと常々思っていた。設計から始まり、設備の配置や施工といった諸々のプロセスを経て完成された建築物・・・その中にはかつて栄華を誇ったものもあるだろう・・・が諸々の理由により、生活の痕跡を残したまま遺棄され、朽ち果てて行く何とも言えない哀れ。

展示されている作品群の中で最も有名であろう軍艦島の現代の建築基準法では違法になりそうな案配の高密度な高層建築物の配置や、大阪の軍艦アパートの増築を繰り返しまくった挙句、九龍城のようになってしまった佇まい。

一時期は多くの人々が行き交い生活をしていた筈なのに、今ではもう誰一人、いやしない。使用途中で放置されている家財道具、動物病院の去勢用注射器、工場や鉱山の機械、鉄道のレール・・・・そしてフランスのカタコンベや廃城、チェルノブイリ。生きている「人間」だけが消え去り、止まってしまった時間。廃墟はある意味、究極の「滅びの美学」なのではないかと思う。

個人的に最も気に入ったのが、長崎刑務所の廃墟である。工場などとは違い、普段からも簡単に入れる場所ではないだけに、余計に迫って来るものがある。自分はこれらの写真を見て、スティーヴ・マックィーン主演「パピヨン」のラストで登場する仏領ギアナ・悪魔島刑務所の廃墟写真を思い出してしまった。

そして物販で、
ruins.jpg
今回の展示に登場した作品の図録

Midgard.jpg
「ミッドガルド」と題された巨大な工場の夜景を収録した写真集を購入。

因みに「ミッドガルド」というのは北欧神話に登場する「人間界」である。この周りをヨルムンガンドと呼ばれる巨大な蛇が自らの尾を咥えた状態でぐるりと取り巻いている。この世の最後の日(「神々の黄昏」とか「ラグナロク」とか)雷神トールはヨルムンガンドと戦って相打ちとなり、炎の巨人スルトが投げた火焔剣で神も巨人も人間もすべての世界が燃え尽きて灰塵と化した後、生き残った僅かな神と、われわれ人間の祖先が今の世界の礎を築く。そう、やがてはミッドガルドも廃墟と化すわけだ。まさに "Ruins" である。


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コメント:

『Re Comments : 』 ゴーヤーマンさん
こんばんは、この写真展は見に行くようにします。
自分も建築学科出身ですが、意匠構造がどうもダメで、建築設備に出会ってからサブコンに入って現場施工をやってます。

廃墟は好きです。探索するほどでもなく、サイクリングついでに遭遇したら写真撮るくらいですが。
朽ち果てた美しさが好きなんでしょうか、とても惹きつけられますね。
軍艦島は一度は行ってみたいです。


2013/08/11(Sun) 22:26:55 | URL | [ Edit.]
『Re Comments : ありがとうございます!』 Two Headed Dogさん

同じ建築科卒なのですね!私も当初は設計を志していたのですが、デザインが全然ダメだったので施工に行き、ゼネコンに勤めたのですが配属されたのが現場でなく本社だったのですぐに辞めてしまいました。今は建築とは全く畑違いの仕事をしていますが、何故か図面だの計算だのといった知識が役に立っていたりして、因果を感じたりする今日この頃です。

軍艦島は私も1度行ってみたいです!あと病院の廃墟などはやはり怖いです(笑)


2013/08/12(Mon) 02:02:15 | URL | [ Edit.]


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