I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2013/06/30 / 02:03

自分が最初に「美術館」「画廊」「ギャラリー」という場所に行ったのは何時の事だか忘れてしまった。

自分は別段、アートに詳しいわけでもなんでもない、ただの地軸がズレた人間でしかないわけだが、彼方此方を見て歩いていると「展示されているアーテイスト、或いはその作品は知らずとも、此処ならきっと面白いものに出会えそうだ」という場所が幾つか出来てくる。「ギャラリー新宿座」も自分にとってはそういう場所の一つである。

Rain.jpg

その「ギャラリー新宿座」で6月25から30日まで開催のグループ展「雨」に御邪魔してきた。自分は今回参加されている作家の方々について、全く予備知識の無い状態で作品を見せて頂いたことを最初に申し述べておく。

今回、自分が最も印象に残ったのが小松義幸さんの作品だった。

テーマが「雨」であるためか、蝸牛をモチーフにした作品が数点、展示されていた。一見、伊藤潤二のホラー漫画「うずまき」を思い出すが、伊藤作品が外側に突き抜けた陽性且つ半ばギャグに近い吹っ切れ方をしているのとは真逆で、柔らかなタッチを淡い色彩を持ちながら内側へ捻じれ、切込み、溜まっていくような暗紫赤色の情念に震える。

壁面に展示されている作品の他にもクリア・ケースに収められた作品集をめくりつつ、「会社員時代の俺もこれと殆ど同じヴィジョンをアタマの中に描いていたなぁ」と思い出すと共に、遥か昔に忘れていた何某かの不協和音が心中に木霊したりする。

そして小松義幸さんの作品とならんで、aya ichikawa さんの作品の暗色を基調と人物描写も印象に残った。

特に"rainy day" と題された1点。暗い部屋の大きな窓から女性が雨に煙る外の光景を眺めている。女性の目に映っているのはどんな光景/景色なのか・・・は描かれていないのだが自分はこの作品を見た時、すぐに第2次世界大戦の欧州戦線が浮かんでしまった。それも冬季の東欧。灰色の空、破壊され尽くした街・・・という光景。何故、そのようなものを連想したか・・・は心理学の先生に尋ねるべき話だな(笑)

また、今回は在廊しておられたキュレーターの方から作品に纏わる興味深い話を伺うことが出来、「雨」とは裏腹の晴れた土曜の午後、ミニマルな環境音楽が流れるギャラリーで楽しいひと時を過ごすことが出来た。

dazed and confused

新宿座を出て、地下鉄を乗り継ぎ、茅場町「森岡書店」というギャラリー兼書店で開催されていた2人展「眩暈」へ。

茅場町のこの界隈は新川「デリー」に行く際、時々通っていたのだが、このように個性的な建物があるとは全く知らなかった。昭和初期風のファサードとエントランスが奮っている。看板もポスターも無く、ただ入口の扉の下にフライヤーが置いてあるだけ。知っていなければ此処に書店やギャラリーがあることはまず、わからないだろう。そんなビルの3階に森岡書店はあった。

展示されているのは、新宿座でも作品が展示されていた Aya Ichikawa さんの写真とTakuya Ichinose のレザークラフト。新宿での油絵、茅場町では写真という手法と表現方法・・・特に油絵の直線的且つ力強いタッチと、わざと焦点を暈した写真という相反する手法の違いがとても興味深かった。

また新宿ではレザーの花瓶をあしらった「熱帯雨林都市」のようなジオラマが面白かった Ichikawaさんは此方ではレザーのプランター。クミンのような仄かな、それでいて個性的な香りが書店の広々とした空間に広がる。

また、お店はアート関係書籍が多数展示、販売されており手に取って眺めているだけでも楽しい。階下の別のギャラリーでやっていた展示も含め、隠れ家的なロケーションでまた機会があれば足を運びたくなる。

そんなわけで、展示を見た後はいつもの「新川デリー」でストロング・カシミールとビーフ・ベンガルのあいがけを食してから帰宅。

仕事の事を一切考えずに過ごせたいい一日だった。多謝。

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