I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2012/12/16 / 02:22

先日、銀座を歩いていてふと、思ったことがある。そういえば街から「電柱」が消えたのって何時頃の事だろう、と。確かにまだ住宅街などに行けば電柱は存在している。狭い通りなど電柱が邪魔になり歩くにも車で通過するにも危険を感じる場所は多い。しかし、新宿や銀座といった大都市では何時の間にか見ることが出来なくなってしまった。

電柱と共に消えた物・・・今となっては懐かしくもある色とりどりの、そしてどぎつい煽り文句が躍る看板である。昭和の頃、街のあちこちの電柱にはプロレスやストリップ劇場の興業を告知する、或いは裸女の肢体をデカデカと印刷したエロ映画の宣伝が立て掛けられ、或いは結び付けられていた。興業が終わるとすぐに撤去され、また次の興業の際には新しい看板が取り付けられている。何時、誰が設置と撤去をやっているのかは分からないが、小学生の頃は登下校の際、これらのド派手な看板にワクワクドキドキしつつチラ見で前を通ったものだ。

銀座「ヴァニラ画廊」で本日まで開催されていた

sutekann.jpg
「森田一朗すてかんコレクション『昭和路上のエレジー』」

に行ってきた。

「すてかん」とは「捨て看板」。前出のプロレスやストリップ劇場等の興業を知らせるポスターを貼り付けた看板である。今となっては貴重なコレクションが銀座で見られるというのも乙なモノである。一歩会場に足を踏み入れ、廊内四周に貼られたポスターの迫力に圧倒。気分は一気に昭和へワープ。

圧巻なのは何と言ってもプロレスの広告である。猪木も鶴田も馬場も木村もまだまだ若い。タイガー・ジェット・シンやブッチャー、デストロイヤーにボボ・ブラジルの迫力あるポーズに感動。もう完全に見せ方が東映のアクション/ヴァイオレンス映画のポスターと同じである。

それに輪をかけて最高なのが、女子プロレスのポスター下に掲載されている「コビトプロレス」の興業告知である。小学生の頃、初めて見た時の衝撃と笑激。カルチャー・ショックに近いものがあった。今更ながらによく見ると、皆、小さいのによく鍛え上がられた身体をしている。モヒカンがキマっているミスター・ポーン、カッコいい!久し振りに 猛毒 (というバンドがある)の「小人プロレス物語」が聴きたくなった。

会場内にはこれら「すてかん」に加え、ピンクチラシの数々も展示。これも携帯電話が普及し街から公衆電話ボックスが消えるに従い消滅してしまった「文化」だが。要するに(非合法)風俗店のビラである。

昔、公衆電話のガラス壁にペタペタ貼ってあった名刺サイズのチラシを覚えている人も多いだろう。新宿辺りだと量も多いので単語カードのようなリングに綴じられて一冊になっていたものだ。有名AV女優やアイドルの写真を使い「絶対いるわけねぇだろ!」という「いかがわしさ」「嘘八百加減」がいい味を出していた。勿論、一度も利用したことは無いが高校時代、同級生がこれを貼るバイトをやっていた事は知っている。貼っているときに逮捕されてもすべて自己責任だそうな。まぁ、そうだろうな。「組織」が身柄請けなんぞに来るわけがない(笑)

画廊を後にし、霧雨の銀座を歩きつつ考える。「すてかん」は最後の「見世物小屋」だったのではないか、と。街が綺麗になり、夜でも明かりが煌々とし、法律だの人権団体だのがうるさくなり、一見全てが「クリーン」に見える昨今、最早「見世物小屋」の出る幕は無いのかもしれない。勿論、自分は「昔は良かった」などと口が裂けても言わないが、全てを「クリーン」にするだけでいいのかい?!という思いがあるのまた、事実である。人間なんてそんな「クリーンな」生き物じゃない筈だろ・・・と4丁目界隈を気取って歩く連中を横目に、銀座線の階段を下る。


「小人プロレス物語」がないので代わりに「16文」を貼っておこう(笑)馬場っ、馬場っ!

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