I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2012/09/03 / 01:26

先月の京都旅行の折、北大路のビブレで買い求めたまま積読になっていた

    lords tracy
中田整一「トレイシー 日本兵捕虜秘密尋問所」

読了。

例によって粗筋は某密林より転載・・・得体の知れない敵国、日本を丸裸にするため、アメリカはすさまじい執念とエネルギーを費やし極秘に捕虜尋問センターを準備した。暗号名はトレイシー。日本人の国民性、心理、戦術、思想、都市の詳細などについて捕虜たちが提供した情報が、やがて日本の命運に大きくかかわってくる。


尋問所が置かれたのはかつてはリゾートホテルだったカリフォルニア州トレイシー。故に暗号名も「トレイシー」となった。あくまでも「収容所」でなく「秘密尋問所」であるのがミソ。粗筋にもある通り、此処でアメリカこれまで殆ど実態が知られていなかった日本の国土、民族、言語、文化、精神性について驚くほどの執念を以て情報を集めていく。太平洋の各戦場において、或いは欧州戦線から連れて来られた日本人捕虜がトレイシーに集められ、情報を引き出されていった。

本書の端々に登場する詳細な地図、図面の出来・・・皇居まで攻撃対象になっていた・・・には驚く。戦争において「情報」・・・つまり「相手を知る」ことがどれだけ大切であるか、アメリカは早い段階でそれを理解していた。尋問室は言うに及ばず捕虜の監房にも盗聴装置を仕掛け、ゼロ戦や空母、戦艦といった武器のの性能、構造、製造工場の場所、工場の内部に至るまで徹底的に絞り出した。物量で遥かに劣る極東の小さな国、日本を倒すためにこれほどまでの事をするのか、と驚かされる。その情報が日本を敗戦に追いやっていったのは御存知の通り。

では何故「生きて虜囚の辱めを受けず」の精神が骨の髄まで刷り込まれていた日本の将兵達がいとも簡単に情報をアメリカに提供したのか・・・与えられる豊かな食事、敵味方の分け隔てなく施される医療処置といったこれまで体験したことが無かった環境に身を置き、これまで自分が所属していた日本軍の環境・・・海軍の艦艇にはロクに救命ボートや救命具すら装備されておらず、最前線では兵士たちが飢餓とマラリア等の病で苦しんでいた・・・という過酷な状況から一転、人道的な扱いをされれば誰だって良心の呵責を受けつつも考えは変わる。

サイパン玉砕の後、日本に降伏を呼びかける日本語のラジオ放送に日本人捕虜が積極的に協力したのも、豊かなアメリカに接したことで早く日本の置かれた悲惨な状況を終わらせたいとの一心であったわけだ。

しかし情報を取るためとはいえ、「盗聴」という手段は今も昔も非合法である。だからこその「秘密尋問所」であり、関わった米軍側将校達は近年まで秘密を守ってきた。そして敗戦後も「巣鴨プリズン」の内部でも盗聴が行われていた、という事実には愕然とする。

つまりそれだけアメリカという国は日本という国を警戒していた、という事なのだろう。それは現代でも変わらない。「友好国」「同盟国」ではあるがその一方でアメリカは常に日本についての情報を集めている。アメリカの庇護から再び日本が完全に独立し、自主憲法を制定し、核も含め武装することを一番恐れているのは中国と朝鮮ではなく実はアメリカなのかもしれない。

まぁ政府の閣僚だの役人だのもアメリカ大使館やニュー山王ホテルに行く時は注意した方がいいかもしれないね(笑)尤も日本の政治家の危機管理意識の低さを考えれば友軍に盗聴されているかもしれない、なんて可能性は全く考えても居ないのだろうが。

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