I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2012/04/28 / 02:41

先日、映画「ジョン・カーター」を見に行ってきた。

JCT Poster

原作は言わずと知れたエドガー・ライス・バローズの古典的SF「火星のプリンセス」である。

自分にとってSFの原体験とはズバリ、バローズの「火星シリーズ」、そしてエドモンド・ハミルトンの「キャプテン・フューチャー」シリーズである。バローズを初めて読んだのは中1の時で以降、「火星」「金星」「ペルシダー」「ターザン」は全巻読破した。それだけに思い入れも強く、本作が映画化されると聞き、トレイラーを見た時の落胆と言ったら無かった。

印象としては、チンピラみたいなジョン・カーター、ビッチなデジャー・ソリス、そしてひ弱なタルス・タルカス・・・ダメだ、こりゃ、と思った・・・が、ウェブでの評判も賛否両論なので取り敢えず自分の目で確かめなくては、と思い映画館へ。

見終わっての率直な感想。

予想外に、というか・・・とても面白かった。実にフラゼッタ的な映像で、それがとても興味深かったことが要因。デジャー・ソリス(日本におけるメーテルや草薙素子みたいな位置づけだと思ってもらえればいいかもしれない)の造形にしても前知識で

「結局誰がどんなふうに演じても必ず非難されることは分かっているからまるっきり違うキャラクターにした」

という制作秘話(?)を読んでいたので、ああいう活動的且つ攻撃的なデジャー・ソリスもいいのではないか、と思った次第。実際、ケイト・ブッシュと片山さつきを合わせた遺伝子がブラジルで花開いたような顔と体型のデジャー・ソリスはバンと張った腰から下腹のラインと堀の深いラテン顔が相俟ってかなりエロい仕上がりとなっている。

冒険活劇としても実に単純明快で何も考えずに楽しめるようになっている。原作はかなりの部分で変えられているのだが、基本、ハリウッドにかかれば原作などあって無きが如し、なのは分かっているので想定の範囲内。唯一の不満は、緑色人の造形で、原作ではもっと筋骨隆々の巨人である筈なのだが、細すぎやしないかい?

でもってサーク族の皇帝となるタルス・タルカスだが実はウィレム・デフォーが演じている。しかし此処まで特殊メイクが凄いと誰だか全く分からないのがミソ。しかしあれだけたくさん集まっている緑色人の群集でも一人ひとりちゃんと顔が違うのが凄い。

そんなわけで、予想外に楽しくてホント、これは嬉しい裏切りだったわけだが、批判されることも十分理解はできる。実際問題として、100年近く前に書かれた古典的SFをそのまま映画化しても今の時代、需要がどの程度あるのか分からない。例えば同じクラシックで「フラッシュ・ゴードン」や「バック・ロジャース」「キャプテン・フューチャー」を映画化しても・・・・黒字になるとは思わないし、本作についても一体どんな客層に見せたいのかも分からない。(アメリカではPG13らしい)

アメリカでは「ジョン・カーター」と言えばそれなりの知名度はあるが、日本ではバローズ・ファンでなければ分からないだろう。そう考えると、やはりウケないだろうな・・・という結論しか出て来ないのが辛い(苦笑) 実際、自分は近所のワーナーマイカルで平日1840からの回を見たのだが自分以外にはドラえもんみたいな女1人しかいない、という超お寒い状況だったことは申し添えておく。

デジャー・ソリス 日本版
此方、武部画伯による日本版。これを超えるデジャー・ソリス像は日本に無い、と断言したい。

デジャー・ソリス 外国版
此方、外国版イメージ検索結果。洋の東西を問わず、エロいことだけは確かだ。

日本で或る一定上の年齢の男にとって、今回映画化された「火星のプリンセス」は表紙、口絵、挿絵を描いていらした故・武部本一郎先生とイコールである。この表紙、初めて見たのは小学生の時だったのだが、巨乳に黒髪、切れ長な目にすぅっと通った綺麗な鼻筋というデジャー・ソリスの姿には子供心に、なにか見てはいけないエロい物を見てしまったかのようなドキドキ感を植え付けるには十分すぎた。今回の映画を非難している人の中には武部絵の刷り込みが強かった世代も多いのではないかと考えたりもする。やはり子供の頃にインプットされたものはなかなか抜けないものだ。

因みに本作、シリーズ化の話もあるようで原作通りに進むのであれば「火星の女神イサス」「火星の大元帥カーター」と続く・・・のか?(笑)本当に。

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