I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2012/03/05 / 02:09

先日からちんたらちんたらと読み進めていた

     Exorcist.jpg
  「エクソシストとの対話」 島村菜津 

読了。

内容は書くのが面倒臭いので、例によって某アマゾンから転載。

「オカルト的な興味本位の対象として認識されてきた“エクソシスト”。だが、現在イタリアでは、ヴァチカン公認のエクソシストが人々の精神的な闇を癒す存在として、にわかに見直されている。実際に悪魔祓いの儀式にも参列し、数々の“現代のエクソシスト”たる神父を取材。その真実の姿に迫ったノンフィクション。」

先ず、俺自身はキリスト教徒でもなければ、これまでキリスト教徒だった事も無い。家系の宗旨は日蓮宗だったり浄土真宗だったりで、法事には寺へ行くし、神社へも参拝に行くという典型的な(テキトーな)日本人である。そんなキリスト教とは全くの門外漢が思いつくがままに書いた感想だと思ってもらえればいい。

キリスト教信者の少ない日本におけるエクソシストのイメージは大半が映画「エクソシスト」に拠るところが大きい。しかし、こんな地球の反対側まで一瞬で通信なり送金なりができるテクノロジーがあまねく広まった21世紀にあって、「悪魔祓い」「悪魔憑き」の持つ意味とは何なのだろう・・・本当に映画で描写されたような超常現象が生起するのだろうか・・・いや、それ以前の問題として「神」や「悪魔」なんてものがこの世に存在するのだろうか。

本書はそんなキリスト教とは殆ど接点のない自分のような東洋人の素朴な疑問に見事に応えてくれる名著である。登場するエクソシストたる神父たち、そして彼らと接点のある心理学者、精神医学者、悪魔学者、そして実際にエクソシズムを受けた人・・・彼等/彼女達にとって「悪魔」とは何なのか・・・神父は言う。「これまで私がエクソシズムを行ってきた人たちのうち98%は精神疾患である・・・が、残りの2%については分からない。」と。ではその2%は本当に悪魔の仕業なのか・・・興味ある人は是非一読していただきたい。

本書を読んで、キリスト教における神と悪魔の関係は、言い方は悪いが日本における警察とヤクザの関係に酷似している、と思った次第。互いに互いを目の敵にしつつ、何処か奇妙な共生関係が成り立っている。例えば盛り場や歓楽街において、警察はヤクザ者が「羽目を外しすぎない」程度に商売しているうちは無下に潰したりしない。そうやって町のはみ出し者たちを「管理させておく」方が良いからだ。反面、其処に属さない組織・・・つまり外国人マフィアのような「外様」に対してはとても大きな危機感を持っている。

奇しくも宗教界においてもその図式は当てはまるようで、此処でいう「外国人マフィア」に相当するのが新興(カルト)宗教である。以下抜粋。

「日本からもたらされたものはブランド買いの観光客だけではありません。サッカー選手のバッジオがその布教に貢献した創価学会がトリノ、ローマ、フィレンツェ、ミラノを中心に1万8千人、真光が3千人、真如苑もあります。」

かつて神話世界や異教徒を「悪魔」として迫害し、その版図を広げてきた教会が現代、新たな「悪魔」の流入に頭を痛めている。エクソシストたちはそうした人々を非難するが、逆にエクソシストを頼ってくる人たちも新興宗教に頼る人たちと同じメンタリティに支えられている。つまり表裏一体なのだ。

では「悪魔憑き」の原因は一体何なのだろう。それは多分、統合失調症などの精神疾患や成長過程での心的要因、既往症、家庭環境等々、色々な要素がミックスされることに依って生じた一種のトランス状態である。日本でも古来、「狐憑き」「犬憑き」等と同様、赤ん坊の頃から教会で洗礼を受け、聖書を読み聞かされやれ天使だ悪魔だと吹きこまれて来れば深層心理の中にその存在が刷り込まれるのは当然であり、それが何かの拍子にドッと噴出してきても全く不思議ではない。自分が神社や仏閣、或いは仏像や仏画を見ていて感じる「気」というのも実際のことろ俺自身が寺が経営する幼稚園に通っており、弥勒菩薩を拝む事から一日が始まり、事ある毎に本堂礼拝日だの花祭りだのといったイヴェントがあり、遊んでいるのは鐘楼や墓場という環境で過ごした事に遠因があるのだろう。

シャーマニズムやトランス状態との関連にしても、以前書いたように、例えばMOTORHEADやDISCHARGEのひたすら反復されるシンプルなリフが、或いはファンクやゴスペルにおける執拗なコール&レスポンスが如何に多くの人達を熱狂させるかを考えてみれば一目瞭然であろう。そう考えると・・・殆どもう答えは出ているではないか(笑)

本書の中でもある民俗学者が非常に良い事を言っている。

「この数年、つくづく感じるのは心の奥の平素意識されていない部分というのは馬鹿に出来ないって事さ。人間っていうのは自分らが思っているほど科学的で合理的な生き物ではないんじゃないかな。」

だからこそ、人々は自分が「精神疾患」として病院で隔離されるよりもエクソシストを頼る方を好む。

と、此処まで書いてきても・・・俺自身は神様と悪魔を信じている。例えそれらが科学や医学で完全に証明できる日がやって来たとしても、だ。何故かって?だって神も悪魔も居ない世界なんて全く浪漫チックじゃないしつまらないだろ。

神や悪魔がいなければブルーズもブラック・メタルも成立しないじゃないか(笑)

それでクソみたいな左翼市民団体やカルト宗教ばかりがのさばるようになったらそれこそまさに「悪魔の世界」だと思うね。



やはり "The Exorcist" といえば POSSESSED のコレだろ。


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