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ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2012/02/06 / 01:56

  hakodate.jpg

   高城高「函館水上警察」 

読了。

舞台は明治24年の函館。欧米列強の艦船が出入りする国際港であると同時に、近代の司法警察制度と徳川時代の「岡っ引き制度」のような旧体制が混在する絶妙な時代を背景に、ロシアのラッコ密漁船水夫長変死、イギリス軍艦の水兵失踪、賭博の手入れ等々、海と港の治安を守る水上署の面々の活躍を硬度の高い文体で活写している。

そしてこの水上署員を指揮する五条文也警部の経歴が面白い。アメリカ放浪経験(明治時代だよ!)を持ち、酒場で用心棒をしていた時代にフェンシングを仕込まれ、帰国後は警視庁でサーベル教官をやっていたという変わり種。谷譲次(林不忘)の「めりけんじゃっぷ」と長谷川平蔵があわさったような男でとても魅力的である。

個人的に感心し、且つ惹かれたのはキチンとした司法警察手続を描いている事。身柄をとった直後に弁解録取書を作成する、証拠品を任提・領置する際には立会人を頼む、調書は作成したが被疑者が署名・押印を拒否する、司法書類や刑訴上の不備があると弁護士が突っ込んでくる、武器使用に絡んで「警察比例の原則」を遵守している等々、知っている者にとっては堪らない描写である。

そればかりでなく活劇の場面も秀逸で特に、船上での五条と船長・・・サーベル対コルト・ピースメーカーの決闘は印象に残る。あと唯一のヒロイン・・・というか実体はやり手の悪女なのだが、龍動屋(ロンドン屋)の支配人、鹿鳴館こと縞藤緒もいい味を出している。映像化するなら是非、若村麻由美に演じてもらいたい役どころである(あくまで個人の趣味嗜好という事で)。

というわけで非常に楽しい読書だった。願わくば、シリーズ化して新作をもっと読ませてもらえれば幸いである。読んだら、函館に行きたくなった。高校の修学旅行で1泊しただけなので、たまには北方に足を向けるのも乙なものかもしれない。

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