I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


Entries.

--/--/-- / --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) / PAGETOP

2011/12/26 / 00:54

ちょっと軽めの物語が読みたくなって手にした一冊、

木野塚探偵事務所
樋口有介「木野塚探偵事務所だ」

読了。
ハードボイルド/探偵小説好きであれば思わずニヤリとしてしまうパロディ小説。

話の粗筋は・・・書くの面倒くさいので例によって某アマゾンから勝手に転載。

「経理課一筋37年で警視庁を定年退職した木野塚氏は、ハードボイルド探偵に憧れ新宿5丁目に探偵事務所を開設する。しかし、依頼どころかグラマーな美人秘書もやってこない。そんなある日、近所づき合いで業界紙に広告を出したところ、記念すべき最初の依頼が。その事件は、なんと金魚誘拐事件だったのだ。」

というもの。

話の核は木野塚氏、警視庁勤続37年とはいえ警察官でなく経理課の職員、つまり犯罪捜査も交通事故処理も鑑識も一切出来ないという司法警察業務に関しては「ズブの素人」である事だ。定年後に探偵稼業を始めた理由が、フィリップ・マーロゥやマイク・ハマーといったハードボイルド・ヒーローに憧れて・・・というのだから奮っている。おまけに酒、煙草、賭け事、女遊び関係一切無しというクソ真面目で古女房を抱えて生活は冷え切っている・・というのもミソ。

此処まで来るとマーク・ショアの「俺はレッドダイアモンド」シリーズを思い浮かべる方もいらっしゃると思うが、レッド・ダイアモンドの主人公サイモン・ジャフィーは精神疾患から突然架空のハードボイルド・ヒーロー/タフガイ探偵であるレッド・ダイアモンドと同化してしまい、実体はしがないタクシー運転手なのに飲めないバーボンを酒場で呷り、吸えないタバコを吸い、挙句の果てに何のスキルも無いのに単身犯罪組織に乗り込んでいく様を見て読者は「こらこら、無茶すんなよな・・・でも頑張れ!」と快哉を叫ぶ「勘違いのカッコ良さ」でなく、やることなすことが裏目に出て自分の描いた理想の「ハードボイルド・ヒーロー像」からドンドンずっこけて且つ外れていく可笑しさであり、エレジーでもあるわけだ。

マイク・ハマーの秘書ヴェルダのような美人でセクシーな助手が欲しいと広告を出せばやって来たのはボーイッシュなショートカットで胸も尻もぺったんこ、な梅谷桃世であり、殺人事件や国際的陰謀を解決するつもりで始めた事務所に持ち込まれるのは「いなくなった金魚を/猫を探して欲しい」「飼い犬の恋煩いを解決してほしい」といったどうしようもない依頼ばかり。その依頼に更に勘違いな推理を繰り出しているうちに何時しか事件は桃世が解決してしまっている、というすべりまくりの行動がなんとも言えず、乙。あとは短編ならではの面白さが十分に生かされているのも高得点。

因みに本作を映像化するなら、

木野塚佐平:笹野高史
梅谷桃世:田中麗奈


というキャスティングしか思い浮かばないのだが・・・どうだろう?

スポンサーサイト

書籍 / TRACKBACK(0) / COMMENT(0) / PAGETOP

復活、真・EXCITER!!! / ホーム / Tシャツ・マニア Part.ξ 年末物欲戦線篇


コメント:


コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する 


トラックバック:

ホーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。