I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


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2011/12/19 / 01:28

最近読み進めていた、

   Venice beach hardcore
   木村二郎「ヴェニスを見て死ね」

読了。

ドナルド・E・ウェストレイク=リチャード・スターク=タッカー・コゥ等々等々ミステリ小説の翻訳で有名な木村さんの小説。90年代NYCを舞台に、私立探偵ジョー・ヴェニスの活躍を描く短編集。

冒頭のインタヴュー場面からして御自身の「ガムシュー・サイト」でやっている精神科医Vs.なりきり探偵妄想癖の男とのカウンセリング(レッド・ダイアモンドとマイク・ハマーは最高に面白い!)を彷彿とさせ、のっけから掴みはOK.

事件解決に至る「法は曲げても破らない」刑事コジャック的倫理観とか、キチンと調査の段階を描いている87分署的手法とか、最後にあぶりだされてくる家庭の悲劇といったロス・マクドナルド的テーマといいこの手を多少なりとも読んでいれば時に頷き、時にニヤッと笑ってしまう伏線が彼方此方に張られていてとても面白い。ハッキリ言って序盤で既に結末が見えてしまう作品もあるのだが自分にとってハードボイルドの面白さってのは謎解きではないから全く問題ない。

個人的に一番ウケたのは「過去を捨てた女」での一節。

「女はロマンス小説を読み、男は 死刑執行人ものとか殺人機械もの とかのアクション小説を読む。」

こんなところで死刑執行人マック・ボランと殺人機械レモ・ウィリアムズに出会えるとは思っていなかった(笑)以前も書いたが、俺は高校時代、創元推理文庫から刊行されていたこれら所謂「ヒーロー・ペーパーバッグ」、そして「SASプリンス・マルコ」のようなスパイ小説を貪るように読んでいた。一番好きだったのはデス・マーチャント/リチャード・カメリオン・シリーズだが、ハードボイルドと出会ったのはそれら作品の解説に「ヒーロー・ペーパーバックの原点を辿ればマイク・ハマーに行きつく」という一文があったからに他ならない。人生、何がきっかけで変わるかわからない。

そんなわけで、とても面白かった本作。次作「予期せぬ来訪者」も期待、大。(今日、買ってきた!)

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