I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で


Entries.

2011/11/08 / 00:38

日曜日は仕事だったので今日は代休。ぶらっとギャラリーを2廊訪問。

先ずは稲荷町

「ガラリア・デ・ムエルテ」で開催中の"ULTIMATE UNDERGROUND - An Exhibition of Underground Death Metal Fanzines"

80年代から90年代中期にかけて発行された世界のアンダーグラウンド・メタル・ファンジン(同人誌)の展示会。日本が誇る"Deathrash Mayhem"、そして"F.E.T.U." "SAMURAI" を始めとして "Metal Warriors" "Metal Forces" "Morbid" "Slayer" "Uni-Force" etc. といった自分がかつて読んでいたファンジンの表紙が壁に貼られているのを見るのは本当に懐かしい。しかし"Heel Of Thrash"は無かったな、流石に(笑)

ファンジンの魅力は、作り手の趣味嗜好がストレートに反映されたバンドの選択、誌面構成、デザインといった手作り感覚である、と言われるし自分自身もその通りだと思う。しかしそこに共通して流れているのはライターであるのと同時に熱心な音楽ファンである作り手の「自分達のシーンは自分達で作りたい!」というアツい想いだと思う。

   「欲しいものが無いのなら、自分たちで作ればいい」

というDIY精神はパンク/ハードコアに限った事ではない。

80年代当時も今も、日本でメタルを専門に扱ってる雑誌は「BURRN!」だけである。しかし俺はこの雑誌が創刊当時から大嫌いだった。誌面に載るのは大御所を除けば、化粧品の臭いが漂ってきそうなLAのオカマ・メタル・バンドか、ぴろぴろギターヒーローばかりで、こっちの大好きな EXCITER、ANVIL、RAVEN、VENOM といったバンドは全て黙殺されていた。今ではドヤ顔で「ずっとうちはMETALLICAを支持してきました」みたい顔をしている同誌だが、彼等がMETALLICA を追いかけ始めたのは2nd以降・・・つまり自分達が黙殺していた1st "Kill 'em All" が欧州に飛び火して一気にファン層が広がり、2nd "Ride The Lightning" に対してレーベルのMusic For Nations が大がかりなプロモーションに打って出る、という事象を目の当たりにして掌を返して擦り寄ってきたわけだ。

MANOWARについても同様で、"Sign Of The Hammer" "Kings Of Metal" という途轍もない傑作を無視しておきながらクソつまらない"Triumph Of Steel" から突然擦り寄ってきたのは、同アルバムの片面が組曲形式の長尺曲で、それがプロッグ好きの伊藤政則の目に留まった、という話に過ぎない。つまり、日本のシーンというのはそのような数人の所謂「業界ゴロ」の手でいいように転がされてきた。だから芸能事務所には入れても海外で対等に音楽だけで勝負できるへヴィ・メタル・バンドなんて育つわけがない。

最近の事例に目を移せば、かつては Dir En Grey のようなバンドを蛇蝎の如く嫌っていたBURRN!が、バンドがイギリス辺りで取り上げられて注目を集めるようになった途端にインタヴューが載ったりする。昔自分達がやって来た事などすべて棚に上げ、「載せてあげますよ」「売ってあげますよ」とばかりにニタニタしながら寄ってくる。結局、シーンだのファンだのの事なんか全然関係ない。あるのは「ギョーカイ事情」だけ。本当に最低だ。

そのような鬱憤を抱えていた人間にとって、ファンジンとの出会いはまさに「扉が開いた」に等しかった。海外に手紙を書き、ファンジンやテープを取り寄せ、仲間とトレードし、拡散させる。POSSESSED, DEATH, MASSACRE, IMPETIGO, MORBID ANGEL, VADER, MAYHEM, NIHILIST, CARNAGE, TERRORIZER, REPULSION.....彼等は皆、アンダーグラウンドのコネクションから支持を集め、出て来たバンドである。

   「粗野なVoとテクニックも何もないパンク」
   「デスメタルなんか音楽じゃない」

あーそうですか。嫌いなら信念持って徹底的に嫌えばいい。しかしそのバンドの人気が出始めた途端、揉み手しながら寄って来るな。

「BURRN!」も業界ゴロも必要ない。本当に「音楽が」好きなら、そういう奴等に頼っちゃいけない。絶対に。そして本当にカッコいいバンドってのは自分で探し当てるからこそ、宝物になるんだよ。どんなに時代や流行が変わっても、そういうアンダーグラウンドの魂が生き続ける限り音楽は死なないと思ってるよ、俺は。

DVC00121.jpg

会場で、ファンジンの表紙をコラージュしたポスター付CD(膨大なスキャン・データと"Deathrash Mayhem"誌2冊分とMESSIAH DEATH (Killer!!!!) のPDFファイル入りの優れもの。) あとBLACK WITCHERYとBESTIAL WARLUSTのインタヴューが掲載された"Darkness Against Light"'zine を購入。

スポンサーサイト

音楽 / TRACKBACK(0) / COMMENT(2) / PAGETOP

濃縮ヴァニラ / ホーム / ビッケは海の子バイキング


コメント:

『Re Comments : 』 BURRN!編集部さん
忌憚なきご意見ありがとうございます。今後の参考にさせていただきます。


2012/04/16(Mon) 23:17:12 | URL | [ Edit.]
『Re Comments : Re: タイトルなし』 Two Headed Dogさん
コメント、ありがとうございます。

メジャーな雑誌ともなれば、記事を掲載している、或いはレヴューで取り上げているバンドの(評価)基準については私の知り得ない諸々の事情があるのでしょうが、実際、貴誌において非常に低い評価をされていたバンド・・・例えば、BATHORY, D.R.I, WEHRMACHT 等・・・かつて「音楽ではない」等と揶揄されたバンドがアンダーグラウンドのシーンからブラック・メタルの、或いはクロスオーヴァーの、或いはファスト・コアの始祖、元祖として高い評価を得、それが現在の(エクストリーム・ミュージック)シーンの基礎になっていることを鑑みれば、もっと先行的且つ柔軟な考えで地下で蠢いているバンドに光を当てることがシーン全体の活性化に繋がるものと私は考えていますし、特にスラッシュ・メタルの勃興以降、デス・メタル然り、グラインド・コア(ゴア・グラインド)然り、ブラック・メタル然り、ドローン/アンビエント然り、と常に新しいシーンを作ってきたのは音楽雑誌等のメディアではなく、ファンだったと思います。

多くの部数を売るという「数字」が意味を持つメジャー誌にアンダーグラウンドのファンジンのような誌面構成が出来ない事は重々承知していますが、色々な視点から地下のシーンに目を向けて頂けたら幸いです。



2012/04/17(Tue) 00:24:13 | URL | [ Edit.]


コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する 


トラックバック:

ホーム