I Don't Care About You !

ニヒリズムとナルシズムの狭間で

2011/09/30 / 01:06

決して悪いバンドではないのだが、運の無かったバンド・・・というのが間違いなく、ある。例えば、ワシントンDCのFAITH。初音源たるスプリットLPの片面がよりによってVOIDだったことから、

「あー、VOIDの『裏面』に入ってるバンドね」
「イアン・マッケイの弟がVo.やってるバンドだろ?」

程度の認識しか持たれなくなってしまったのも事実

そんなわけで

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FAITH "Subject To Change / First Demo"CD

彼等のラスト音源であるEP、そし最初のDemoをカップリングした編集盤。こうして単独で聴いてみると、線は細いものの結構イケる・・・と思いつつやはりVOIDと一緒に見ると全然太刀打ちできないと感じるのはとどのつまり・・・つまらないからなのだろう。と元も子もない結論に落としてみました、と。


1分5秒の辺りから始まる VOID やはりかっこよすぎ。完全に FAITH を食ってる。

此方も、何時まで経ってもBURRN!のようなクソヘビメタから「元ANTHRAX~NUCLEAR ASSAULTのダン・リルカ在籍」と書かれてしまうある意味、不運なBRUTAL TRUTH。そんな彼等の新譜 "End Time"CD が遂にリリース。彼らの最高傑作は2枚目の "Need To Control" だと思っているのだが本作はそれに近い音の質感。"Sound Of Animal Kingdom" のようなノイズと混沌が交錯する音とは違うが個人的には此方の方が遥かに好き。

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BRUTAL TRUTH "End Time" CD



何時見ても聞いてもリッチ・ホークのドラムは凄すぎる!!

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2011/09/29 / 02:24

最近聴いた音源の中で

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IN DEFENSE "Party Lines And Politics"CD

が結構いい感じだった。確かミネソタか何処か出身なのだが、所謂 88 youth crew 系統・・・YOUTH OF TODAY とかBOLD とか・・・とMUNICIPAL WASTE に代表される新世代クロスオーヴァー・スラッシュの混合なのがとても面白い。普通、NYHC系列でメタル度が進むとスローダウンしたクソ面白くも無い音に変わってしまうのだが、彼らの場合、1stから次第にスラッシュ寄りの姿勢が明確になり、3rd の本作ではこれまで以上にソリッドで切れ味の鋭いを音を聴かせている。見てくれはかなりダサいのだが、その突進力はかなりのもの。GAUZEのTシャツ着てるのも・・・まぁ高得点、と言っておこう。




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2011/09/28 / 02:37

代休。ぶらり湾岸、葛西臨海公園。

観覧車に乗ったり、鳥類ウォッチングセンター周辺をぶらぶら散策したり。前回来た盛夏の頃とは打って変わって、陽光は弱まり、風も涼しくなったことで歩いていても気持ちがいい。

観覧車
大観覧車から千葉方向を臨む

水族館
臨海水族園

野鳥の会観覧車2
野鳥ウォッチング・・・とか

ヤシの木
秋風、東京湾

水上バスが来るまで時間を潰そうと葛西臨海水族園に入ったのだが、此方は失敗。遠足の子供達とのバッティングは仕方ないとして、平日の、それも火曜という半端な日だというのに、幼稚園~小学校くらいのガキ連れて(ちゃんと学校とかには行かせてるのかよ?)「おきまり」のベビーカー押して集まってくる「ヤンキー家族オマンコスキー」共がぐちゃっと来ている。

ヤンママだか何だかしらないが、何故ベニーカービッチ共はこの手のアミューズメント施設だろうがデパートだろうがレストランだろうがドラッグストアだろうが駅だろうが人ごみだろうが人様の迷惑考えず徒党を組んでやって来るのだ、と思う。いちいち群れ集まらないと一人じゃ何もできないのか。そもそも免疫力の低い赤ん坊を雑踏だの動物園だのデパートだのって場所に平気で連れて行く神経を疑う。

結局、水族園はぐるっと一回りして10分以内で退散。水上バスの発着場へ行ってみれば微妙な混み方と客層が何となくカンに障るので予定を変更して地下鉄で有楽町まで。せっかく浅草までゆるりと船旅を楽しんでから銀座へ行こうと思っていたのに当てが外れた・・・がまぁ仕方ない。

夕方、銀座「ヴァニラ画廊」にて開催中の古川沙織個展「ピピ嬢の冒険」を見に行く。昨年の個展「PINK SALOME」を見て以来、気になっていた。点描画のような精緻な技法とフェティッシュでありながら時に猟奇、時に怪奇、時に背徳的なモチーフ・・・という非常に個性的な絵なのだが、以前にも書いた通り、聖水を垂れ流す少女が(他の部分は裸であっても)キッチリとハイソックスなりストッキングなりを身に付け、靴を履いている、というのが個人的にはかなりの高得点だったりする。

そんなわけで画集と・・・何故か古書の棚に置いてあったブツに呼ばれて「Final Eros川奈まり子写真集」を購入。川奈まり子って全然美人だと思わないし、好みのタイプでもないのだが不思議と「セックスしたくなるいやらしい身体」だな、と思う。

物販

画廊を出て、数か月ぶりに「デリー銀座店」に赴き、9月のマンスリー「カボチャ・チキンカレー(ムルギカドゥ)」とカリフラワー・ブジャ、チャイという早めの夕食をとって帰宅。やはり「デリー」のインド料理、何時食べても美味しい。

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2011/09/26 / 00:07

三連休二日目の昨日は見たいライヴが2つバッティングしていたので、掛け持ち。その前に高円寺BASEに寄って取り置きをお願いしてあった ZOUO "Frustration" 7'EP を受け取り、新宿から湘南新宿ラインに乗って一路横浜へ。

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Ruidosa Inmundicia や ASSHOLE PARADE の来日公演以来の横浜FAD。入場してすぐ、THINK AGAIN。2番手は名古屋の九狼吽。実を言うと、見るの初めて。これまでなかなか都合が合わずライヴを見ることが叶わずにいただけに嬉しい。鉄アレイとかVEIHAIZ以来、久しぶりに危険なオーラ・・・というか圧倒的な緊張感を撒き散らす音とパフォーマンスはとてもカッコいい。マイクスタンド投げる(ぶつける)のって20年ぶりくらいで見たな。最近、ジャパニーズ・ハードコアの音源を聴いたりライヴに行ったりする機会が減っていただけに久々、魂にギアが入った。

「俺はたった一人になってもハードコアをやり続ける。
何故なら俺自身がハードコアだからだ」

というMCには震えた。


考えてみると、DISCHARGEのツアーなのに全然御本尊は眼中に無かったな(笑)正直言って、今現在活動している日本のバンドの方がずっと刺激的だしカッコいいよ!!!

九狼吽が終わってから、後ろ髪を「引きずり回される」ような気持ちでFADを後にする。いつもであれば中華街に来たときは必ずと言っていいほど「京華楼」で四川料理(刀削麺等々)を食すのだが今夜は時間がないので泣く泣く断念。中華街を抜けてみなとみらい線~東横線の渋谷経由, 目指すは大久保EARTHDOM の "Ice Pick 2011"。

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入口で出演表を見て驚く。いつもであれば大トリ(若しくは初っ端と大トリの2回)の 鐵槌 が3番目ではないか!慌てて場内に入るとまさに鐵槌が "鋼"をやっている。何とか間に合った。横浜で飯食ってたら見られなかった。新曲含む8曲見られたので良かった。ラストは♪儚き花よ♪やはりこれは何時聞いても燃える。途中MCで昭二さんが「俺、昔からドラッグって大嫌いでさ・・・」と話し始めたので、おっ! "縛り首" やるのかな・・・と一瞬期待したのだが初めて聴く "Injure" って新曲だった。その他、今までにもライヴで聴いた新曲2曲もカッコいい。

因みに今年は、桜花が出なかったのが何ともさびしい限り。ICE PICK 以外ではライヴを(殆ど?)見られないだけに来年は見られるといいな、と思う。やはり、"不動魂" "バサラ" "ゲキオウ" "土に逝く迄" を生で聴きたいからなぁ。

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2011/09/24 / 03:58

最近は一度見て面白かった展示はなるべく裏を返す・・・などと言うと廓言葉のようだが、要するにもう一度見ることにしている。そんなわけで、現在、銀座ヴァニラ画廊にて開催中の

 【古賀新一×伊藤潤二×御茶漬海苔3人展「古潤茶」】

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再訪。

小学生の頃、何かにつけて裸になる黒井ミサにドキドキしつつページをめくった「エコエコアザラク」を除いて、ホラー漫画を全然読んだことがない。であるから、伊藤潤二、御茶漬海苔両御二方の作品を閲読するのは今回が初めてである。会場内は四周の壁のそれこそ足元から天井付近に至るまで生原稿(原画)で埋め尽くされ、迫力満点である。今回の展示の中では特に、伊藤潤二先生の作品に心を動かされた。

同じ「恐怖」と訳される「テラー」と「ホラー」の違いは何か、と問われた場合、後者は

  「生理的嫌悪感を伴う恐怖」

であると答える。加えて、ある種のギャグセンスである。

冷静に考えればショッピングセンターに集まるゾンビだの無線で「もっと警官を寄越してくれ」と要請するバタリオン、地獄の使者に囚われて鉤付鎖でバラバラに吹っ飛んでしまうフランクおじさん(「ヘルレイザー」)といった描写は壮絶でありながら冗談としか思えず、ついつい笑ってしまう。

そういった意味で、展示されていた伊藤潤二先生の「かたつむり女」であるとか「書斎の円形桶の中で渦巻き状に変化して死んでいる男」(R.E.ハワードのコナン「石棺の中の神」みたいだ)等、人ならざる形に変化した(させられた)人の姿というのは物凄い生理的恐怖を煽ると共に、究極のギャグである・・・つまりはホラーそのものだな、と思った次第。

描写の方法は全然違うが、H.R.ギーガーが描く人体(有機体)と機械(無機体)の(おぞましい)融合といった作品群を見たときと同種の怖さを心の奥底に植えつけられる。本当に見に行って良かった、と思う。

それから画廊を出て、神保町の書店街で伊藤先生の作品を探したのだが全然売っていないのにはガッカリした。今はインターネット時代なのでアマゾンでオーダーすれば翌日には届く。しかし俺は基本的に「書店に行って、本を探し、レジで買う」というプロセスが昔から大好きだから先ずは書店で探してみるのだが、やはり空振りになるのは悲しい。結局「うずまき」はアマゾンで注文してしまった。届くのが楽しみだ。

因みに「エコエコアザラク」について、過去の作品では初代・吉野公佳もよかったがやはり佐伯日菜子の黒井ミサがあまりにハマり役だったため(映画、見に行ったよ!「クトゥルー」に出てくるバイアクヘーの召喚呪文使ってるのには笑ったが)人選が難しいと思うのだが 個人的な趣味嗜好で脳内キャスティングするなら是非・・・・成海璃子ちゃん に演じてもらいたいな・・・と思ったり。

あと、これはヴァニラの物販で購入した

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「口枷少女モイラちゃん」

以前から同画廊にて売られているアヒルの口枷やツイッターで存在は知っていたが実際に作品(媒体)を見るのは初めて。フェティッシュで可愛く、手作り感満点の誌面はとても魅力的で面白い。

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2011/09/23 / 11:28

当たり前の話だが、言葉ってのは面白いものだな、と思う。特に現在の部署に変わってからというもの展開が全国区になったせいもあり、全国津々浦々の言葉を聞く事が出来るようになった。そんな中で味噌汁のことを「おみおつけ」と言うと通じなかったりするわけで、かなり昔にも書いたとおり「では『標準語』ってのは一体何なのだろう」と考えてしまう。少なくともこの事例を見る限りしばしば聞かれるように「標準語=東京言葉」でないことは明らかだ。

因みに前出「おみおつけ」というのは味噌汁の東京言葉である。うちでは今でも普通に「おみおつけ」と言う。漢字で書くと「御御御付」だ。以前、出張で行った某田舎町の食堂で定食を頼んだ時のこと、厨房から

    「おい、汁まだか?早く出せよ。」

という声が聞こえてきた。大体、自分、或いは人の手でしごくのか、はたまたカテーテルを突っ込むのかは知らないが「汁を出す」なんて表現は下品でいけない。

というわけで、此処数日

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  長井好弘「使ってみたい落語のことば」(中公文庫)

を読んでいた。内容は、タイトルの通り。古典名作落語の中から小粋な言葉を取り上げ、解説している。時として「喧嘩を売られているように」聞こえるらしい東京の言葉だが、実際はそれが「威勢の良さ」の誇示であると同時に「恥ずかしがり屋の照れ隠し」という2面性を持つ、或る種「伝法な社交辞令」であったりするわけだ。

俺自身も人様から

  「早口で何をしゃべってるのかわからない」
  「なんでいつもそんなに話し方が攻撃的なんだ」

と言われたことは何度もあるわけだが、別段、トラブルの種をまいて歩いてるわけではない。当たり前の話だが「バカ」という言葉一つとっても、それが「愛在る『バカ』」と、本当に相手を蔑んで放つ「バカ」とでは全く違う。

そんなわけで本書、古今亭志ん生師匠の名演「火焔太鼓」の一節

  「目をごらんなさい。バカな目をしてるでしょ?
 あの目は『バカメ』といいまして、おつけの実にするよかしょうがないんです」


実にくだらない。

しかし不思議と心に引っ掛かる。「おつけ」というのは先述「おみおつけ」よりも古い言い回しで要するに味噌汁。「するよかしょうがない」なんて言い回しもじつに懐かしい。

目に絡んで「火焔太鼓」からもう一つ。

  「こいつが太鼓を叩いたんです。利口そうな目をしてるでしょ?今年14になるんです」
  「先ほど11と申したではないか!」
  「へぇ。11の時もあったんですな。」

そりゃぁそうだろうよ(笑)あったりめぇじぁねぇか!
当たり前、といえば此方。

  「お互い生まれたときは別々でも死ぬときは別々だって、そういう仲なんですよ」
  「なんだい、そりゃ。当たり前の仲じゃないですか」
  「そうですよ」

昔々、神田の三省堂で店員が

  「今ならこのテレホンカードが1枚500円!2枚で1000円、3枚で1500円と大変お買得になっております!」

と言ってたのと同じノリだ。聞いてる方は「あったりめぇじゃねぇか!」と言いつつもついつい顔がほころんでしまう。

あと秀逸なのは此方、「抜け雀」より

  「おまえの眉(まみえ)の下にピカピカっと光ってるのは何だい?」
  「これは目です」
  「目なら見るためについてるんだろう。
     見てわからんような目なら、くり抜いて あと銀紙でも貼っとけェ!

本書にも解説がある通り、この面白さは「銀紙」以外の代替物が思い浮かばないところだ。「LEDライトでも埋めとけ」じゃ洒落にもならない。言い回しは些か伝法だが、実際はギャグであると同時に説教でもある、という独特の言い回し。こういう表現が様になるのはやはり志ん生師匠ならでは、という部分もあるのだろうが。

因みにうちのオフクロは在りし日の志ん生、文楽、柳橋、正蔵(先代。後の彦六)といった昭和の名人芸を人形町の「末広」で見ていたそうだが、「舞台に出てくるだけで場内の雰囲気がガラリと変わるのは志ん生だけだった」と言っていた。

あと古典落語の東京言葉と言えばやはり啖呵。志ん朝師匠の「大工調べ」で、大工が因業大家に向かって切る啖呵は何時聞いても気持ちがいい。やはり言葉ってのはリズムなのだな、と改めて思う。そしてオフクロがいつも

「幾ら威勢が良くても下品なのは『粋』っていわないんだよ」

と事ある毎に言っていたのを思い出す。

以下、件の「大工調べ」6分50秒あたりからの畳み掛けるような啖呵は本当に惚れ惚れする。埋め込みリンクが貼れないので

アドレスは此方

個人的には、先代・春風亭柳朝師匠の歯切れのいい東京言葉が大好き。


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2011/09/23 / 02:15

仕事の予定が何時に無く詰まってる事に加え、ツイッターをやるようになってから日記を打つのが面倒くさくなってきた。とはいえ、日記に関してはかれこれ10年以上打ってるので半ば惰性になっているものの、書く(打つ)という行為が身体の中にリズムとしてする込まれてしまっているのもまた、事実。

というわけで先週末の三連休は久しぶりに神奈川の実家戻って革ジャン取ってきたり銀座のギャラリーでホラー漫画の展示見たり、例によって音源と古本漁っていたり。そんな中で入手した1枚。

WARHEAD.jpg
WARHEAD "Never Give Up" CD+DVD

京都を・・・いや、日本を代表するハードコア・パンク・バンド、WARHEAD のこれまでにリリースされてきたシングルとオムニバス収録音源による22曲入り編集盤。以前、2nd EP はアルバム「この想いを何処へ・・・」とカップリングでCD化されたことがあったが、これと"Hardcore Ball 3" 収録音源以外は今回が初CD化なので非常に嬉しい。アナログ音源を全部持っていてもやはり欲しくなる。加えて初期メンバーから現行までのライヴ映像が6曲収録されたDVDとセットになった2枚組仕様。

WARHEAD 2

今回改めて手元にある音源を全部聴いてみて、20年以上に渡ってこの途轍もないテンション・・・ライヴを見たことのある人ならわかるでしょ?・・・を維持してこれた、というのは本当に凄いと思う。何処からこんな力が湧き上がってくるのだろう。実を言うと最近はジャパニーズ・ハードコアの音源を殆ど聞いていなかったのだがやはりこれを身体に入れてしまうと俄然、気合が入る。久しぶりにライヴ、見たくなった。

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2011/09/17 / 14:28

此処最近読み進めていた、

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菊池成孔+大谷能生
   「M/D マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究」(上・下)


読了。

内容は2005年、マイルス生誕79周年を機に行われた東京大学での講義15回分を中心に纏められた研究書。そもそも1人のジャズ・ミュージシャン、それも「帝王」の名をほしいままにしたとはいえ、とっくに他界したトランぺッターに関して天下の東大で殆どマイルスの音楽に関する予備知識のない学生を相手に15回もの講義を行うという事自体が驚きである。それはマイルスの音楽が未だに人を惹きつけてやまない、という事実の裏返しなのだろうが。

しかしこの分厚い2冊を読了したところで、とどのつまり「音を聴かなくては何もわからない」いや、正確にいえば「音を聴いたところで未だに『なんだかよくわからないが兎に角、圧倒される。凄い!』」としか言いようがなかったりする。

音楽的な話は取り敢えず音源を聴いてもらうとして個人的に一番面白かった/収穫だったのは、アーストン・ボラージュの佐藤孝信さんとのエピソード。佐藤さんの店を訪れたマイルスが

「お前は今日まで俺のために服を作ってきたのか」

と言い放ったエピソードは余りに有名だが、

マイルスに全くビビらず、崇拝もせず、悪童同士の友情そのもので「その時の生のマイルス」と真正面からつるんだ日本人、マイルスが本気でダチだと思っていた日本人は佐藤孝信ただ一人だったと我々は確信する。

という一節はある意味、感動すら覚える。
そういう関係性が築けるのは本当にカッコいいと思う。そしてそのアーストン・ボラージュでのパーティー写真の中に

CCBの関口誠人がマイルスのカツラを剥ごうとしている写真がある

というぶっ飛びのエピソード。いやぁ・・・是非見たい!(笑)

因みに本書の最終章を読みつつ、たまたまマイルスの所謂「マラソン・セッション」収録の "Solar" を聴いていたのだが、奇しくも本書の最終講義のオーラスで流される音源も"Solar" だったというのは驚いた。



そんなわけで、興味のある方は是非。読み物としても非常に面白い。

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2011/09/15 / 01:25

どこぞの高校の入試で

「芥川龍之介『蜘蛛の糸』の第3章は必要か否か?」

という問題が出題されたらしい。答えは「必要」でも「不必要」でも自分なりの論理的な説明が為されていれば正解とのこと。実に個性的で、良い問題だと思う・・・ので改めて「蜘蛛の糸」を読んでトライしてみた(笑)

          蜘蛛の糸


「蜘蛛の糸」第3章は必要である。

理由:
第3章があることにより、第2章で終わっていれば「自分勝手な行いをすれば必ず自分に報いが来ます」という極々当たり前の教条主義的な結末を「天(神)の意志は計り知れず、時として気紛れ且つ無情である」というある種の不条理的帰結に昇華することに成功しているからである。

では何故、天の意図は気紛れ、且つ無情なのか。

理由は5つ

第1に、お釈迦様は朝の散歩の際に蓮池を通りかかって「偶然」「たまたま」カンダタという男が「目に入った」のあり、当初からこの男の救済を目的としているわけではなかった点

第2に、カンダタは足下の蜘蛛をあくまでも「気紛れで殺さなかった」のであり、これを「助けてやった」と解釈するのは誠に以て独善的である。

第3は前項に付随して、この程度の「善行」が殺人や放火の罪を犯した凶悪犯罪者のカンダタを「地獄から出してやる」ための擬律判断材料となるのであれば地獄に墜ちている者の殆どは極楽浄土に行く資格を有する・・・つまり地獄と極楽の存在理由がなくなってしまう。

第4として、もしカンダタがエゴを出さなかった場合、お釈迦様は蜘蛛の糸につかまった無数の罪人たちを全員極楽浄土に迎え入れる意思があったとは到底考えられず、カンダタが極楽に入った時点で其処から糸を切ったであろうことは想像に難くない。

第5に、最終章においてカンダタが再び地獄へ落ちていく光景を見て一寸だけ悲しそうな顔をするも、すぐに散歩を再開し、その周りでは咲き乱れる花々の良い香りが漂って云々・・・の描写は、極楽浄土の平和な営みの中では地獄がどのような状態であろうが基本的に興味の対象外であるという暗示がされていること。

以上の理由から、本作品におけるお釈迦様の行動は、気紛れ且つ無情であると解釈する事が出来、それを決定付ける余韻を残すためにも第3章は必要であると考える。

以上。


な~~~んて知恵熱出てしまいそうなことを書いたけど、とどのつまりは「天の助けなんか当てにしてねぇで自分で自覚持ってしっかり生きろ」ということなんだろうけどな。

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2011/09/14 / 01:54

こめかみを一定のリズムと強さで叩き続けることによって相手の気を狂わせる・・・拷問があるという。

やられたことが無いので真偽の程は分からないが、人間の身体に単純な一定パターンのリズムや衝撃を与え続けると、高揚感、多幸感、恍惚感を感じ、ある種の興奮状態に陥る場合がある。だからその度合いを越せば精神に異常をきたすことも有り得るのではないか・・・という憶測は、まぁ・・・できる。

例えば音楽でいえば、DISCHARGE や MOTORHEAD が四半世紀を超えて未だに大きな人気を保っているのか・・・という理由の一つはズバリ、

     リフとリズムの中毒性

にあると思っている。"Ace Of Spades" "Bomber" "Fight Back" "The Possibility of Life's Destruction" 等で執拗に反復されるシンプルなギター・フレーズ。ハードコアやへヴィ・メタル等のラウドで過激な音楽の醍醐味と言っていい。

ではハードコアやメタル以外で「リフ」を持つ音楽はあるか?と問われれば、ズバリ「ある」。ジャズにも一応のパターンはあるのだろうが、それだけでは意味不明な「コマン」という言葉を連呼してみて初めて「あー、実はこれって『マンコ』というリフだったのか」という類の分かりにくいものだったりする。では一聴してリフとわかる音楽は何か・・・ファンクとゴスペルだ。

映画「ブルースブラザース」におけるジェームズ・ブラウン扮するクリオファス神父の説教場面。神父の問いかけに対し聴衆が答えを返す言葉の掛け合い・・・「コール&レスポンス」といわれる手法で次第に場内をハイな状態に持っていく。PARLIAMENT/FUNKADELIC (P-FUNK) の曲においてひたすら演奏され続けるベースやホーンのパターン、そして

"Make my funk the P.Funk I wants to get funked up"
"Do The Stuff Do The Stuff..."

と執拗に繰り返されるシンプルな歌詞。長時間聴いているうちに次第に興奮状態になっていく。リズムパターンに身体と脳みそが完全に乗っ取られている・・・所謂トリップ感覚。その中でもここで挙げたP-FUNK 一派や James Brown のリフのキレと中毒性というのはやはり頭一つ二つ抜け出しているのだろうな、と改めて思う。

でもって今までは前置き。
ここからが本題。百里の道も一歩から、だ。

先日、レコード店の新譜入荷情報でレーダーに引っ掛かったバンド・・・

   在日ファンク

最初のインパクトは何と言ってもVo.の見てくれ・・・チバラギ在住の変な先輩にソックリだ(笑)ところがこのVo.がJBまるパクりなダンス&ステップとマイクスタンド捌き、そして

「カモン!」「うっ!」「べぃべー!」「イギェェ~ェっ!」
「ヒッミーっ!」「ギミっ、ギミーーっ!!」

という掛け声も本家に迫る勢いで歌いまくる姿を見て思わず震えが来た。こりゃ、すげぇ(笑)

というわけで発売されたばかりの新譜

      在日ファンク

     在日ファンク「爆弾こわい」CD+DVD

を買ってきた。

ついでに中古盤でEP2枚も購入。早速プレーヤーに入れて・・・やっぱカッコいいよ、在日ファンク!!!アルバム全体通して聴くとVoはまだまだ線が細いし音程も時々ふらつく感じがは否めないのだが、それを補って余りある「勢い(ノリ)」とリズムやホーンの繰り出すリフ、そして

   ♪爆弾、こわ~い♪ 
   ♪鼓膜 鼓膜破れる♪
   ♪きず きず きず♪ 

と執拗に連呼されるシンプルな歌詞。なんだか久しぶりに感動してしまった。お陰様で先週末からずっと在日ファンクとJBの動画流しっぱなし。ホーンの感じとか時々フェラ・クティ的なのも良い。是非、ライヴが見たい。




此方、本家。

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